捜査メモも「開示対象」 最高裁、検察に提示促す
警察官が捜査の経過を「個人的にメモした」と主張する文書は「公文書」として証拠開示の対象になるか。捜査の適法性が争われた刑事裁判に関連した決定で、最高裁第三小法廷(堀籠幸男裁判長)は「対象になるかどうかは、裁判所が判断するべきことで、検察側に対して証拠を裁判所に見せるよう命じることができる」との判断を示した。
裁判員制度では、裁判員の負担を軽くする必要から、迅速な審理が求められる。証拠をめぐる争いをなくすため、検察側に対して積極的に証拠を見せるよう迫ったもので、捜査のあり方にも影響を与えそうだ。
決定は25日付。覚せい剤取締法違反の罪に問われ、福岡地裁で公判が続いている男性被告(27)の弁護側が、証拠開示を求めていた。
公判で検察側は、福岡県警の警察官が被告から任意に尿を採ったところ覚せい剤反応が出たと主張した。これに対して弁護側は「被告は違法に身柄を拘束され、強制的に尿を提出させられた」と捜査の違法性を訴えた。
この裁判の証拠整理手続きの中で、採尿の状況などを記した警察官のメモの存在を検察側が明かした。福岡地裁が中身を確認するためにメモを提示するよう命じたところ、検察側は「個人的なメモだ」と拒否。このため、福岡地裁は証拠開示を命じる決定を出し、福岡高裁もこれを支持したが、検察側が不服として最高裁に特別抗告していた。
第三小法廷は昨年12月にも、警察の規則「犯罪捜査規範」が捜査経過の記録を義務づけていることから、「取り調べ」の際に警察官が記したメモを開示するよう命じる決定を出している。
今回の決定は、取り調べ以外の「捜査経過」を記したメモも開示対象になることを明確にした。さらに、検察側が裁判所への提示に応じなかった場合は、弁護側への証拠開示を裁判所が命じても違法ではない、と初めて判断した。
アサヒ・コム ニュース>社会>裁判>記事 2008年6月28日3時3分