薬害肝炎、田辺三菱が和解へ
「放置」明記案を受け入れ
薬害C型肝炎集団訴訟の和解交渉で、被告企業のうち「田辺三菱製薬」(大阪市)は23日、全国原告団が示した和解合意案を受け入れる方向で検討に入った。被害を放置した事実を明記しているが、原告側が「法的責任の及ぶ範囲を限定した」としており、製薬会社側も合意できると判断したとみられる。提訴から6年近くに及ぶ訴訟は国との和解を経て、最終決着へ向けて動き出した。
全国原告団はこの日、田辺三菱本社を訪れ、執行役員や代理人弁護士に和解の基本合意書案を提示した。最初の「責任と謝罪」の項目では、同社が「血液製剤で甚大な被害が生じ、その拡大を防止し得なかった責任を認め、深くおわびする」としている。その上で、青森県で産婦の集団感染が発覚した87年以降、血液製剤の投与を証明する被害者のカルテが多く廃棄されたこと▽感染の疑いがある患者418人のリストを02年に厚生労働省に提出するなどしたほかは対策をとらず、その間に病状が進行した被害者がいること――を明記。「命の尊さを再認識し、再発防止に最大・最善の努力をする」という内容となっている。
合意書案について、田辺三菱側は、原告らに「われわれの考えと大きな隔たりはない」と説明。7月初めごろまでに受け入れの可否を回答すると述べた。同社はその後、全国原告団との間で基本合意書を締結した上で、葉山夏樹社長が原告に直接謝罪する方向で調整しているとされる。原告側は早ければ7月17日の大阪高裁の次回期日で和解を成立させたい考えだ。
これまでの協議では、被害放置の「責任」をめぐり、田辺三菱側は、薬害肝炎救済法に基づく給付金の負担割合が増えることへの懸念などから難色を示してきたとされる。このため原告側は、法的責任の範囲を「薬害の発生と拡大を防げなかった責任」にとどめる合意書案を22日の総会で最終決定していた。(阪本輝昭、田幸香純)
asahi.com>ニュース>社会>裁判>記事2008年6月24日6時20分