2012/8/29

助かった命… 助けられなかった命…  ブログ

動物病院は毎日が勝負…
助かる命… 助からない命…
毎日のように目まぐるしくやってくる難題…
でも飼い主さんのご希望に応えたい…
…でもなんともならない現実もあり…

ごく最近の病気の子たちのお話です…
これからも決して忘れる事がないように…(長文続く)


ある助かった命…

先日、あるワンちゃんが来院されました…

話によると、他の動物病院で診察してもらった結果、「急性フィラリア症」ですぐに手術をしないと助からないと診断されたということでした。

ウチの病院にいらっしゃったのはその3日後…
ワンちゃんは横になって動けない状態でした。
診察してみると確かにその独特の聴診音からすぐにV.C.S.(大静脈症候群:急性フィラリア症)だと解りました。

飼い主さんはとても悩んでいらっしゃいました。
どうしたらいいのかと…

V.C.S.は診断は比較的容易ですが、治療となると話は別。
手術で悪さをしているフィラリア成虫を取り出す手術は心臓周辺を血管内カンシで探ること、フィラリア成虫がヒスタミン物質を放出してアナフィラキシーが起こる可能性やらなんやで心停止を起こしやすい危険な手術になります。
が、この手術をしないと早期に死亡するのが一般的な解釈になります。
飼い主さんの希望は手術はしたくないが何とかならないかと藁をもつかむお気持ちでいらっしゃったのです。

…そしてこのワンちゃんは、内科的な治療に応えてくれてみるみる状態が回復。
ゴハンも食べ、現在は内服薬での状態維持をしています。
しかし、血液検査では肝機能障害と腎前性の腎機能障害が見られ、いまだに異常心音が聴取されており、フィラリアが寄生した状態は続いていますので、とても治った状態とは言えません。

しかし、見かけは元気な状態に回復したワンちゃんを嬉しそうな表情で見られる飼い主さんの顔を見ると…

ひとまずは期待に応えられて良かったと思います… 


ある助けられなかった命…


あるワンちゃんがお盆明けに軽い嘔吐と食欲不振で来院されました。

お盆中にホテルに泊まって飼い主さんのお迎えを待っていたペットたちは、ストレスから消化器症状を表すことはよく経験します。
このワンちゃんも初診日はその程度の状態だったのですが…

翌日以降ワンちゃんの状態は一変しました。
嘔吐は止まらず、高熱をだしてぐったりしだしました。
しかしこの時点での血液検査では白血球の増加もなく各種生化学検査の数値も大きな異常はありません。ただ、生理直後にも関わらず陰部からは排膿があり、DIC(播種性血管内凝固症候群)の発現前段階もしくは発現段階にあると判断し、点滴治療を開始しました。
が、子宮蓄膿症を思わせるその症状で依然高熱は続くのにも関わらず白血球数は全く増加しません。そしてその症状と新たな血液検査結果、画像検査結果を元に、ある病気だと診断をしました…
でもその後ワンちゃんの状態は急激に悪化し、発症してわずか数日で亡くなってしまいました。
当然ながら、飼い主さんには状況がよく理解できません。ちょっと調子を崩したかと思ったらたった数日で亡くなってしまうなんて…

…ワンちゃんの病気は、「重度の急性膵炎」でした。普段、軽い膵炎の症状でいらっしゃる子は多いですが、ほとんどが治療に反応して回復してくれます。
が、このワンちゃんは初期の段階で急激に進行し、DICに続いてSIRS(全身性炎症性反応群)とMODS(多臓器不全症候群)を発症してしまったんです。
この場合、致死率はかなり高くなります。
治療途中から腹痛もひどくなってきた様で鎮痛剤の持続投与でよだれの量も減り、少し楽そうに見えたんですが…
飼い主さんご家族の面会後、数分後に突然心不全を起こして…

やはり、重度の急性膵炎は怖い病気です。
しかも症状はその子その子で異なり、初期の診断はとても難しい病気のひとつでそうこうしているうちに劇症型の子は毎日…いや数時間おきに病体が変わっていきます。
今回も初期にDICは判断でき、できるだけの治療はしたのに…飼い主さんにも任せていただいてワンちゃんもがんばって治療をしたのに…残念でなりません…


今、他にも難しい病気を抱えた子たちがたくさんいて…
それに頑張って立ち向かおうとしているペットたちとその飼い主さんがいて…
喜んでいただけることもあれば、落胆されることもあり…

特にここ最近は悩む病気の子が多く来院されて、診察をお待たせしてしまう場面が多くなっています。

でも考えて考えて…頭の中がパンクしそうになって表情も硬くなってしまって…

人の力にはやはり限界はあります。獣医師にとっても得意分野もあり不得意分野もあります。
でも不得意分野だからといってその子を投げ出す訳にはいきません。

頼りにしていただけるペットたちと飼い主さんがいらっしゃる以上、頑張らなければ… 



2012/10/7  0:25

投稿者:杉山 犬太の母

犬太の異常を感じたとき、先生の病院に電話をしましたが、残念なことにお休みでした。仕方なく行った病院で病名も違った治療がされていたことを知って、もっと早く転院させればよかったかも・・と思いました。
犬太は、先生がベルシティにみえるときに、捨てられていた子犬でした。健康診断をお願いして、元気ですよとたくさんの餌をいただいて帰ったことを覚えています。毎日、二時間起きにおしっこに起こされて、我が子を育てるより大変な時期もありました。そして、いままで毎年フィラリアのお薬だけは欠かさずいただきに行っていましたが、大きな病気をすることもなく、10年一緒にご飯を食べて、嫌いなお風呂も最近は自分からお風呂場に行くようになって、えらいねえ〜ってほめてやったり、一緒にお布団に入らないと寝ることもしないで待っててくれるし、何もかも一緒に過ごしてきました。絶対先に死んだらいやだよと不可能な事を主人と言い聞かせながら、ここまできました。そして、わずか前まで走っていた犬太が、寝たきりになって、抱かれるのだけは大嫌いだったのに、黙って抱かれるようになってしまいました。マンションが3階なので、ベランダでシートをひいてシッコしていいよと言っても、今まで粗相をしたことのない子だったので、草のあるところに行かないとしてくれません。最初のうちは抱っこするのが重くて、腕の筋肉痛になりましたが、今は軽くなってしまって、簡単に抱っこできるようになってしまいました。もう一度だけ、大好きな原っぱを走らせてやりたかったと後悔があります。でも今は、1日でも1分でも、そばで寝ていて欲しいと願うばかりです。近所の黒ラブが今も吠えています。犬太が吠えることはもうなくなりました。もっと早く気がついてやればよかったと眠っている犬太を見ると思います。楽そうにしているけど、苦しいのかな?と考えると、できるだけそっと楽にいてくれる事を願います。覚悟はできていますが、その時がきたら、きっと耐えられないだろうと思います。どうか助けてやってください。苦しんでいないのであれば・・・でも最悪、苦しんでいるのなら、早く楽にしてやるのも・・・・

2012/9/4  21:48

投稿者:bellpet

コメントありがとうございます。
いつものことながら、ご家族の大切なペットの命を預かっていることに誇りを持つと同時に、大きなプレッシャーを感じる毎日です。
これでいいのか…と毎日悩みつつ…

2012/8/31  20:40

投稿者:maki(ブちるまま)

小学生の時、妹とお年玉で飼った豆柴も5歳くらいの時にフィラリアにかかりました。
手術ぜず薬の投与で回復していったのですが
庭に繋いで飼っていたのですが10歳で連れ去られた?って感じの状況でいなくなりました・・
今でも悔いが残ってしかたがないので忘れた事がありません><

嘔吐はやっぱり怖いですね><;
何かの合図の一つですもんね。。
ブブと同じ時期くらいだったんですね〜
いつも細心の注意をしながら生活しているのですが
それでも病気は起きてしまいます・・
最近のブブはホント心配で心配でたまりません;;
月曜日にまたレーザーに行きます^^

http://buchiru.blog111.fc2.com/

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