2014/11/19  16:27

メイリーン  

2014年11月2日、3日「明倫ボードビルSHOW」ご来場ありがとうございました。鳥取県倉吉市明倫(めいりん)地区越殿町の旧仲倉医院の中庭を舞台にしたボードビルショーが終わってもう2週間。今、ようやくちょっと落ち着いて別の旅先の秋空の下、鳥取での1ヶ月間を思いだしています。

Artist In Residence(以下、AIR)は鳥取県と文化庁の「鳥取芸住祭」でアーティストが地方の都市や町、村の空いている古民家等に滞在して、その地域の人達にアートを身近に感じてもらいながら自分の作品を制作するというプロジェクトです。

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Casino Folliesや他の僕のライブを何度か観てくださった方にはお馴染みのダンサー、脚本家、演出家でもあるCherry Typhoon。彼女は昨年のAIRアーティストに選ばれ、明倫で舞踊劇「鳥追い」公演を行いました。彼女の作品が素晴らしかったのはもちろん、その人柄と体型と行動力、彼女の全てが明倫の人達の心を動かし、今年もディレクターとしてAIRに関わっていて、今年のアーティストとして僕を推薦してくれました。

Cherryちゃんが考えた、明倫AIRの今年のテーマは「あなたの時計とわたしのめがね」〜町を通じ、21世紀の暮らし方について考える〜。

僕は、鳥取行きが決まる前からずっと考えていた事がありました。それは「町に1人ボードビリアンがいたらいいな」という事です。そして、その町には劇場が必要だという事。ボードビリアンにこだわる事はないのですが、演劇にしても、踊りにしても、音楽にしても、美術や映像にしても、それを表現できて観てもらえる場所って必要だと思うのです。場所があればやりたい人が集まってくる。

尊敬する舞台俳優の大方斐紗子さんが言っていた言葉「劇場があって、演劇というものが日常にあれば、それに関わる人々の間には必ずいい人間関係が生まれる」を思いだします。

初めて明倫へ行ったのは8月末のリサーチの時でしたが、劇場はないと言われました。映画館もなくなったと。それでやっぱり劇場が欲しいなと思いました。そして、自分はここでショーをやりたいと。

明倫Next100担当の川部洋さんに町を案内してもらい1〜2時間、町を歩きながら空き家を見ていた時、今回作詞作曲した曲、「メイリーン」のメロディーが自然とでてきて、ずっと口づさんでいて、今思うとこの時に町を見て感じたものがそのまま作品になったなと思います。

旧仲倉医院は倉吉市の明倫地区の越殿町にあり元々病院だったため長い回廊があり、そこには素敵な中庭がありました。それを見てすぐにここだと決めました。この古民家の中庭を使って、劇場でもない、大道芸でもない、庭の舞台を作ろうと。

古い箪笥を見つけました。引出しを引くとハーモニカの音がするハーモニカ箪笥でした。物入れから沢山の額縁がでてきました。古い椅子と、木製のハンガーもありました。ギターケースは近所の池口さんに借りました。古い電燈は明倫の骨董屋「山陰民藝」の田村さんから購入。床は庭師の川部純さんからパレットをもらって平台を作ってもらいました。

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客入れ前のステージ

これらを全部使って、庭に自分の部屋のような舞台を作りました。物を使った新しい作品と歌、それに今まで作った自分の歌やマイム作品を組み合わせて1時間半のBARON「明倫ボードビル」になりました。

いい公演でした。集客が心配だったり、雨が降ったり、大変な事も沢山ありましたが、すごくあったかーいステージになったと思います。

この舞台で起きた事は、観た人だけのものです。

全ての作業を統括して動いてくださった、仲倉さん(通称・棟梁)。音響はもちろん、何から何まで準備を助けてくれました。映像や明倫通信等の情報媒体、更に明倫ボードビルの缶バッチまで作ってくれたのは里田さん。照明はチェリーちゃん。明倫の要所という要所へは全て紹介してくれ、住民の方たちとの橋渡しをしてくれた川部洋さん、お手伝いしてくれた全ての皆さん。心から感謝します。

明倫の町を歩いて、人と会って話して、また歩いて、劇場になりそうな場所を見つけ、そこで稽古して、曲を書いて、舞台を作りました。毎日何かが起きていて、地元の人々と夢を語り、何度も乾杯し、知恵と協力を得て作ったステージはその過程が兎にも角にも楽しく、本当に充実していました。

時間はもっと欲しかったけれど、滞在しないとできない事ができました。僕の表現は、何か目に見える形に残るものではないです。歌も踊りもお芝居も、あの1時間の舞台で起きた事が全てです。でも、生の舞台で、僕が信じるボードビルが成立した時、人と繋がったあの瞬間は永遠に人の心の中に残ると思っています。

本番を迎えるまでの準備期間中には、ボードビルのワークショップもやりました。身体を動かしながら、音楽で遊ぶ感覚、タップダンス、パントマイム、即興劇もやりました。地域のイベントや学校でもショーをやりました。こんな芸人がいて、こんな面白い世界があって、こんな生き方もあるんだという事は伝わったかな。

沢山乾杯しました。本当に充実した1ヶ月でした。

この明倫AIRに参加していた、もう1人のアーティスト、京都のコンテンポラリーダンサー竹千代毬也さんというダンサーに出会えたのも今回の大きな収穫でした。

僕は自分の作品を観てもらう形を選びましたが、竹千代さんは地元の人を参加させるという試みで、最初の導入は竹千代さんが舞台に居るのですが、途中から知らない間に竹千代さんの姿が消え、地元の女性3人だけが舞台に立ち、踊っていました。
自分を表現する前に、まずは自分をさらけ出すという勇気、「私のぽろりーん」素晴らしかったです。

永本冬森さん、淀川テクニックさん、ゴールデンファイナンス、目黒大路さんという面白いアーティスト達にも鳥取で会い、とても刺激になりました。みんな面白いな。

長くなりましたが、最後に明倫ボードビルの為に作った歌、「メイリーン」の歌詞です。録音はこれからです。またお楽しみに。

「メイリーン」作詞:BARON


少し歩いてみませんか この町を河原まで
鯉を追いかけ走った おじぞうさんの所まで

路地裏小川に顔映し 蛍がくるのを待ってた
打吹山で黄昏て 赤い瓦に恋をした

泣いて 泣いて
泣いて また泣いて
なぜか涙がでるよ どうにもならず

丸い自慢の校舎は あの日の面影見せるよ
心のかけらを掻き集め この町を残したい


踊りなされよ どなたによらず 踊りでこの場が果てるまで
お月様さえ夜遊びなさる 三ツ星盆唄 うたいませう

今星が輝く あの子の恋も輝く
星を見上げた旦那さんも 白壁土蔵に夢を見た

泣いて 泣いて
泣いて また泣いて
なぜか涙がでるよ どうにかしたい

少し歩いてみませんか この町を一緒に
心のかけらを かき集め この町で生きるのさ

少し歩いてみませんか こも町を河原まで
鯉を追いかけ走った おじぞうさんの所まで

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写真:zerokichi

ありがとうございました。



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